SSブログ
お道具紹介 ブログトップ
前の10件 | -

恋ひ恋ひて 七夕です [お道具紹介]

こんばんは 翠雀です[夜]

今日は七夕ですね。
今年は短冊を書く機会もなく、七夕らしいこともせずに夜になりました。
せめて星空をながめて・・・
と、ベランダに椅子を出してパソコンを持ち出してこの記事を書いていますが
空は薄曇り。星の見えない夜です。

2年前のこの時期、七夕の趣向でお茶会をする機会がありました。

待合いの室礼や笹飾り、道具などは七夕にちなんだものを出しました。

何か、自分だけの愉しみのような物がないかなぁ
と思い、お客様には見えない所にちょっとイタズラしてみました。

137.JPG

これは水指 (みずさし) の蓋の裏です。

出来が悪いので、もとよりお客様にご披露できるものではないのですが
天の川の向こうに、彦星さんが見えた瞬間をイメージしたものです。
漆と金箔、白金箔、青貝で自作です。
もちろん、これを見ている私が織姫です(笑)

来年はこの蓋の出番がありますように。
それが今年の願い事かな。

雲の上は晴れているでしょうから、織姫は彦星に会えたのではないでしょうか。

そのほとんどを恋の歌が占める万葉集の中でも、特に好きな和歌を。

『恋ひ恋ひて逢える時だに愛しき言尽してよ長くと思わば』

ずっと逢いたいと思いながら、ようやく逢えたその時だけでも
嬉しいと思う言葉を言ってください
二人の間が長く続くようにと思うなら

彦星さんが口下手じゃないと良いのですが・・・

二人のデートを覗かないように、今夜は曇りが良いのかもしれませんね、

皆さまも素敵な夜をお過ごしください。
コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

素敵なものをいただいたのだ!! [お道具紹介]

こんにちは 翠雀です[わーい(嬉しい顔)]

会いたいなぁ

と思っても、なかなか人に会えない状況が続いています。

私も、知り合ったばかりで、『話が合いそう』 と思っていた方と
2年近くお会いする機会がないままでした。

先日、久しぶりに会えたその方から、とびきり素敵なものをいただきました[exclamation×2]

134.JPG

なんと、翠雀の落款印です[exclamation×2]

いただいて、見た瞬間の感動[exclamation×2] 感激[exclamation×2]といったら
もうビックリだし、嬉しいし
胸がいっぱいになりました[ぴかぴか(新しい)]

『翠雀さんって、素敵な名前だから彫ってみたくなったの』

とおっしゃってくださいました。

書家でもあるその方には、以前、古い書物を読み下していただいた事があり
その折にも、優美な和紙に筆という、うっとりするようなお手紙をいただいたのですが
今回、またしても素晴らしいものを頂戴してしまいました。

135.JPG

はぁ~ 自分でつけた屋号ながら、こうして印になるとますます良く見えます[ハートたち(複数ハート)]

翠は雌のカワセミの羽の色を表し、美しいもの。
雀は一番身近な鳥で、親しみがあってカワイイもの。

その両方を扱うお店にしたくて付けた屋号です。

名付けてから調べたら、私自身の名前にもつながりがあって、ほんと偶然なのですが大事にしたい屋号です。

茶道では、道具の付属品 (箱や袋、買入や来歴を記した書付などなど) を次第といいますが
自分の道具の次第を整える作業を経て、愛着も深まっていくように思います。
書付にこの印を押すことを想像するだけでニヤニヤしてしまう[わーい(嬉しい顔)]

この落款印の箱もいるな。
その前に印泥がなければ押せないではないか・・・

印泥の良し悪しの教えを請わねば。

何かをしようとすると、自分の無知と向き合わなければならないという[あせあせ(飛び散る汗)]

現実を受け入れて、聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥 ですものね。

今日も良い一日をお過ごしください[わーい(嬉しい顔)]
コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

硝子の器 時を越えて受け継ぐ [お道具紹介]

こんにちは 翠雀です[わーい(嬉しい顔)]

季節は例年よりひと月早く進んでいますね。
庭の草木も早々と咲き、バラも満開です。

115.JPG

咲き切った花から切って、いろんな所に少しずつ飾っています。
ネコちゃんがいたずらしそうなテーブルの上は低く活けています。

116.JPG

この時期はずっと野原のような庭で過ごしていたいのですが、
お道具屋の仕事もしなければなりませんので、ヤフオクへの出品作業をしています。

写真を撮りながら、

『これ、すごく気に入っているんだよなぁ・・・手放したくないなぁ・・・』

なんて思う事はしょっちゅうです。
だって、仕入れる時に好みのものしか買わないから[ふらふら]

そんな時は、先輩たちのコトバを思い出すようにしています。

【オマエが良いと思うものは、お客様だって欲しがるはずだ】

だから売れ[exclamation×2]

だけど、だけどです。
今日はそれが出来ませんでした[ふらふら]

写真までは撮ったのですが、やっぱりやっぱり手元に置いておきたいモノだった。

109.JPG

110.jpg

いかにもネット用の写真でしょ[あせあせ(飛び散る汗)]

一見、陶器のような、漆器にも見えるこちらは、ガラスのコップです。

作ったのは上野良樹さん。茶道具も作っておられるのでご存じの方も多いと思います。

手元で使うものですので、近くで見ることでわかる美しさが大事だと考えます。
これも見るたびに虹のようなグラデーションに魅了されるのです。

117.JPG

大きさもたっぷりしていて、家で仕事する私にはピッタリ。
何度も台所に行かずに済みます。
しまい込まずに、今年はこれで冷たいものを飲もうと、箱から出して食器棚に入れました。

もう一つガラスの器をご紹介します。
こちらは初めから自分用に買ったものです。

111.JPG

はぁ~ キレイ~[ハートたち(複数ハート)]
と思わずにはいられない。

112.JPG

天目形の茶碗です。

小さな高台ですが、重心が下にあって安定感バツグン。天目台は不要です。

113.JPG

このお茶碗の見どころは、水玉の一つ一つに空気が入っていることです。

114.JPG

ブクブクと清水が湧き出ているみたい。

夏に使いたいお茶碗です。

作家は松宮寛明さん。
上野さんと共に、福岡特殊硝子という会社で硝子職人として活躍された方です。

天目茶碗の箱には、最初の持ち主であろう日本美術史家の昭和31年の買入記録が貼られています。
作家名に加え、口径、高さ、重さなどが日付と共に書かれており、〇〇蔵とあります。

大切な道具はこのようにするんだなぁ と勉強になります。
私も改めて吟味した道具に、書付を貼って目録も作りたいと思いました。
かなり珍妙な道具も含まれるワタシの愛蔵品ではありますが[あせあせ(飛び散る汗)]

そして、前持ち主様の家は滋賀県の近江八幡にあったようで、現在も保存されておりました。
お茶室のある立派な邸宅のようです。
この方はこのお茶碗でどんなお茶をされたのかしら。
生きた時代が違うので、直接話すことは叶いませんが、このお茶碗を介して対話できるのがお茶の良いところ。
邸宅は時々公開されるようなので、このお茶碗を携えて出掛けられたらいいな。

福岡特殊硝子さんは、社名をマルティグラスとして現在も製作されています。
HPにある作品は造形ガラスが多いようです。
これからも先人のように魅力ある作品が作られていくことを願います。

それでは、良い週末をお過ごしください[exclamation]

コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

2020-08-20 [お道具紹介]

こんにちは 翠雀です[わーい(嬉しい顔)]

厳しい 厳しすぎる暑さが続いていますね[晴れ]
体調崩されていませんか?

梅雨明けからずっとエアコンを使っています。
室外機からの放熱が環境に影響を及ぼすと思うと、なるべく使わない方が良いと思いながらも
災害レベルの暑さだそうですから、これは致し方ないと。。。

でも回り回って、更なる暑さがやって来そうで心配です。

茶道では 【夏は涼しく】 という言葉があります。
目に映るもの、耳に聞こえるもの、香りや味、様々なもので涼しさを演出するということです。

利休さんは、茶席の水指に釣瓶(つるべ)を取りいれました。
井戸水を汲む釣瓶です。
木製の釣瓶を水に浸けて、たっぷりと水を吸い込ませ、畳につく面の水気を拭き取ったら
側面は濡れたまま茶室に据え置きます。
蓋を開けた時に見える水が涼しげで、大好きな水指です。

裏千家では名水点(めいすいだて)というお点前がありますが、その時にも釣瓶水指を使います。
釣瓶に注連縄があったら、名水が入っているしるしです。
お茶をいただく前に、まずは冷たいお水を差し上げるというもの。
夏にぴったりのお点前ですね。

環境省のHPに都道府県別の名水情報がありました。
自宅近くの名水をチェックしておきたいですね。 環境庁HP⇒コチラ

今日のお茶の時間は

83.JPG

ガラスのお茶碗です。 冷たい水で氷もひとかけらIN。
青楓が爽やかな感じでしょ?
お菓子はいただきものの豆大福。

自服ですので、たっぷり点てたのですが
飲み進むうちに、ちょっとお茶の量とお茶碗の関係を考えました。

84.JPG

ちょっと減りすぎだけど、水面と楓のバランスや泡立つことによる色味の白っぽさが
このお茶碗の魅力を左右してしまうような気がしました。

裏千家なので、細かい泡がこんもりとするのを良しと思うのですが
元々冷たい水では泡立ちが悪いですし、無理に泡立てるよりお茶の色がキレイに見える方が
お茶碗も映えるように思いました。

何でもやってみないと分からないものですよね。
特に茶道具は使ってみて初めて分かる事が沢山あります。

明日もこのお茶碗で点ててみましょうね。
もちろんお菓子も添えて[わーい(嬉しい顔)]

久しぶりのブログでしたが、みなさまも体調に気を付けて
元気にお過ごしくださいね。

コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

鎹 かすがい繕いの器です [お道具紹介]

こんにちは 翠雀です[わーい(嬉しい顔)]

小鳥たちの声も聞こえず、雨垂れの音だけの、梅雨寒の日となりました。

衣替えの際に2枚だけ長袖Tシャツを残しておいて良かったです。

3月頃から、お茶会や各種稽古もお休みとなり、茶道の時間が減ってしまいましたので
自宅でおやつの時間にお抹茶をいただくのが習慣となりました。

42.JPG

お菓子は【鹿の子】
あんこが食べたい日はコレ。
上生菓子と違って、お値段も普段和菓子ですが、ずっしりと満足感アリ[黒ハート]

お供のお皿は、松竹梅の染付です。

43.JPG

江戸時代の、いわゆる古伊万里と呼ばれるお皿だと思います。

知り合いからこの時代の陶片を探していると相談を受けた私は
古物商の先輩に、『割れたりヒビが入ったりした器があったら買い取ります』
と言っておいたのです。

先輩はすぐに箱一杯持ってきてくれました。

その中にこのお皿もありまして、先輩の収集物だったらしいのですが
『こういうの好きでしょ』
と、くださったのです。

私は器の修復を習っていて、手負いの道具が大好き[黒ハート]

右肩から黒い線が見えますが、この線はヒビ割れです。

裏には

44.JPG

鎹 (かすがい) という金具が打ち込まれています。

江戸時代には磁器の器がありましたが、武士階級や富裕層のもので
庶民が使えるものではありませんでした。
そして壊れても修理して使っていたのです。

明治になって瀬戸で磁器の大量生産が始まると、鎹や漆で修理することもなくなり
その技術も途絶えました。

厚さ3ミリのお皿の表面に貫通させずに、ホチキスの針のような金属を打ち込む技術に
関心してしまいます。

こういうお皿を眺めていると、想像が膨らみます。

どんな人が使っていたのかな

どうして割れちゃったの

修理した職人さんのこと

このお皿が見てきた様々なこと

今は私の手の中にあって、その先はどんな時間を過ごしていくのでしょう

誰かと分かち合いたいような、私だけの愉しみにしておきたいような

一つ迷っているのは、ヒビの修復です。

今は修理 (使用に差し支えない) は出来ているけど
修復 (見栄えも良く) はされていない状態です。

表側だけ漆で埋めて、銀を引いたら染付になじむような気がします。
裏側はこのお皿の人生を残しておきたいなぁ。

手を加えるのが良いのか、このまま次の持ち主に引き継ぐのが良いのか。
お皿にとって、束の間の預かり主である私は、いつもこの問題に悩むのです。

『あなたはどうして欲しい?』

お皿を撫でながら聞いたら

【たまにはアタシに似合う上等な和菓子を乗せなさいよ!】

ですって[がく~(落胆した顔)]

コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

お道具達は長い旅の途中 [お道具紹介]

こんにちは 翠雀です。

千葉は台風一過、まだ雲もあり時折雨が降りますが、蝉も鳴き始めました。
これから進路になっている地域の方は十分にご注意くださいね。

道具屋をしていると、ちょっと欠けていたり・ヒビが入っていたり・完全に割れていたり等々・・・
様々な手傷を負ったお道具達に出会います。

良いものであっても、箱が揃っていなかったりすると市場でも評価が下がります。
ましてキズがあったら[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]

『あ~ 1つキズがあるからダメだ』

周囲のそんな声に、いつも何故かちょっぴり傷つくワタシ。

顔にシミやシワができたら、手足に虫刺されの痕があったら、引っ掻きすぎてカサブタになってたらダメなんですかッ
・・・・・なんて誰も言っていないのに、なんだか自分の経年変化を指摘されたようなキモチになってしまい[ふらふら]


私がなんとかしてあげたい[exclamation]
そんな、出来る当てもなく買い集めてきた道具達が

『いつになったらなんとかしてくれるの~』

とシビレをきらし始めました。

そこで今年から習い始めたのが金継ぎです。
私の先生は昔からの呼び方として、金繕いと呼んでいます。それより以前は漆繕いといったそうです。
繕うって良い言葉ですよね。

東京国立博物館の収蔵品の鍋島焼のお皿ですが

東博 金継ぎ画像.jpg

赤丸部分が金繕いをしてあります。

昔から茶人を中心に、繕いを一つの景色として愛でる文化がありました。
不完全の美とでもいうのでしょうか。

手負いのお道具達のキズを直し、むしろキズがチャームポイントになってしまうような修復が出来るように、今日は作業をしました。

取り掛かったのはこんな小鉢。

富士山小皿.JPG

手の平におさまるカワイサです。

富士山小皿2.JPG

富士山の形が良いでしょ?

これは10個揃いなのですが、その内5個が

小皿の修復.JPG

このように赤印のところに、小さなカケや、カケより更に小さなホツレというイタミがあります。

あまり見ない形だし、絵付けも良いのですが

『キズがあるな~』

と、かなりの低評価だった器です。

繕いの手順としては
透明漆でヒビ止め⇒弁柄漆を塗り重ねる⇒仕上げ
大ざっぱにいうとこんな感じです。

富士山小鉢はヒビ止めの作業をしまして、そのまま1週間以上乾燥させます。
漆は乾いてから塗り、乾いてから塗りの繰り返しなので、いくつもの器を同時に進行させるのが効率良いのです。

もう一つの器はこちら。

富士形 永楽.JPG

これも富士山形の向付です。

富士形 永楽 (2).JPG

すでに透明漆を塗った後なので分かりにくいですが、これは焼き上がった時からあるヒビ、窯キズと呼ばれるものです。

富士形 永楽2.JPG

富士形 永楽3.JPG

隙間は開いておらず、釉薬でふさがれていますが着色がみられ、このままではお客様に使うのはためらわれます。
この着色も窯の中での事で後についたヨゴレではありませんが、繕いをすることにしました。

京都の千家十職のひとつ、永楽善五郎家の作です。
明治時代に九谷焼に指導に赴いた際のプロデュース作品だと思われます。

5つ揃いですが、一つがこの状態だった為やはり低評価。。。箱も失われていました。

私は茶事で使いたいと思い買いました。 キレイに繕えれば席中に話題を添えられますしね。
お茶をしているお客様なら、‘面白い’って思ってくれるはずです。
どのお客様に使うかで、意味を持たせることも出来ると思うのです。

富士形 永楽 脚.JPG

足まで富士山形、ひと仕事されています。

修復教室で窯キズについて先生がこんな風におっしゃっていました。

『窯キズは神のなせる業』

確かに作ろうと思っても作れませんね。
だから修復も窯キズの痕跡を残した仕上げが良いのではないかとの事でした。

そのお考えを聞いて、ますます先生が好きになりました[わーい(嬉しい顔)]

昔の人は窯キズはダメージとはとらえていなかったのではないでしょうか?
だからこの器も揃いものの一つに加わって使われてきたのではないかしら。

そう思うと私が手を加えて良かったのかと悩みますが、より良くなると信じて仕上げたいと思います。

私は窯キズ好きなのかもしれません。

益子焼 入札.JPG

益子焼 窯疵.JPG

これ、30センチ以上ある大皿なのですが、ざっくりいってますでしょう?
縁は1センチも開いていますが、厚みがあるためシッカリとしています。

見た瞬間、雪解けをイメージしました。
雪が解け始め、一部に土が見えている景色。 

花をのみ待つらん人に山里の雪間の草の春をみせばや

利休さんが茶道の精神を例えた和歌の景色に見立てられると思いました。

ふきのとう、つくし等の春一番に芽吹くものを盛り付けたら素敵[exclamation]

こういうのはどこで買うかといいますと

益子焼 陶器市 ミステイク.jpg

益子焼の陶器市です。 市内の鹿島神社で「ザ・ミステイク」という展示をするのです。

試行錯誤と多くの失敗の積み重ねの上に生み出された完成品。
その失敗した作品にスポットをあて、なぜ失敗なのか・どこが不本意なのかを作者の方に解説・説明を一筆書いていただいたものを作品と一緒に展示し、自由入札式オークションで販売されます。-----益子町観光協会より

一点物ですし、これは席中で盛り上がりそうだ~ 悩みに悩んで金額を決めて入札。
無事に入手できました。


ともすれば窯出しの際に壊されてしまったかもしれない器
小さなカケが出来た時に捨てられてもおかしくなかった器

その時々で 【残す】 選択をしてきた人達がいて
今、私の所にやってきて本来の役目で使われる。

いつか手放す日がきたら

【これ、面白い】

と思ってくれる誰かが、また現れますように。 その想いと共に。
コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

親友の滞在 しつらいを考える [お道具紹介]

こんにちは 翠雀です。

関西に引っ越して3年の親友が久しぶりに千葉へ帰ってきました。
ご実家や都内のホテルに滞在し、我が家にも2泊してくれるとの事で、少し前から部屋のしつらいを考えていました。

梅雨時に合うものをアレコレと。

なのに、突然の梅雨明け~[晴れ]
6月なのに夏が来るってウソでしょ[がく~(落胆した顔)] ですよね。

直前に夏のしつらいに変更。

床の間.JPG

掛け軸の足元の箱は囲碁板です。 普段からここに置いているのですが、重くて動かすのが大変なのでこのままになりました。。。

白黒ネコ.JPG

朝顔とリンちゃんに似たネコが蝶々を狙っている図。

白黒ネコ2.JPG

ちょっとネコちゃんに愛らしさが足りないのが気になりますが・・・[あせあせ(飛び散る汗)]

スタンドの灯りだけにしたら

床の間2.JPG

ちょっとマイルドになるかな~ なんて。

更に涼を呼び込む飾りうちわ。

うちわ 透かし.JPG

先日の記事で紹介した、京都・阿以波製の両面透かしのうちわです ⇒ 記事はコチラ

うちわの骨にトンボとススキが貼られています。

ライトを当てたら、影絵遊びも出来ました(笑)

うちわ 透かし2.JPG

親友の反応を考えながら、道具を選んでいる時間が楽しいです。

部屋の隅には、乱れ箱を置きました。
旅館で浴衣などが置いてある浅い蓋のない箱です。

タオルなどをセットして、お迎えの準備完了です。

親友のリクエストで、房総方面にドライブに行きました。
その様子は次の記事でご紹介します。
コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

うちわ 使っていますか? [お道具紹介]

こんにちは 翠雀です。

昨日は夏至、昼間の時間が一年で最も長い日でした。

梅雨寒という言葉もあるので、夏に至るといわれても夏の実感はまだまだですが暑い日もありますね。

先日の市場では、室内が暑くて午後はグッタリ[ふらふら] エアコンなどという素敵なものはありませんのよ。
スタッフの方にうちわを所望しましたら、みなさんに配ってくれました。
一斉にパタパタあおぎだしたので、おかしくなって笑ってしまいました。白い蝶がヒラヒラ飛んでいるみたいでした。

その時仕入れたお道具の中に、京うちわがありましたのでご紹介します。

京うちわ.JPG

京都の老舗・阿以波(あいば)製のうちわです。
片透かしといって、片面に透かし模様が入っています。 両面透かしになると、実用というより飾りうちわになりますね。

青かえでが涼しげで素敵です。

そこにこのようなリーフレットが入っていました。

うちわ 画賛.JPG

印刷ですが、表千家13代の即中斎宗匠の和歌が添えられています。

    つかわれて 骨は折れても腹立つな うちわとなれば 他人ではなし

江戸の狂歌に似たような歌があるようなので、本歌取りかしら・・・?

ともあれ、なんだか団扇が健気に思えてきました。 優しく扱いたいですね。

うちわや扇子を使う時、いつも父の小言が頭をよぎります。
「そんなにパタパタせわしなくあおぐんじゃない! 見ている方が暑苦しくなる!」

なので、つとめて静かにゆっくりとあおぐように心がけています。

生活の中に取り入れたいものをもう一つご紹介します。

蚊遣り.jpg

先日伺ったお茶席に置かれていた蚊遣りです。
陶器製で中に蚊取り線香が焚かれていて、風情があって素敵でした。

こういうのがあると、夏が楽しみになります。

今年は蚊帳を吊ってみようかしら。 実家でデッドストックになっていた蚊帳をもらって来たのです。
しつけ糸が付いたまま、ホントのストック品です。
吊れたらまたご紹介しますね。

今日も良い一日をお過ごしください。
コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

寒い日は手あぶりを使う 心まで温かく [お道具紹介]

こんにちは 翠雀です。

今日は29日、仕事納めの方も多いと思います。
翠雀も昨日が年内最後の市場でした。

あちこちで年末の挨拶が交わされるのを聞きながら、今年も終わるんだな~と実感しました。

さて、冬至が過ぎて夜明けの時間は少しずつ早くなっているはずですが
私が起きる6時はまだ真っ暗です。

7時頃になるとようやく明るくなってきて、その時間の楽しみが影絵です。
影絵[exclamation&question] 何かといいますと

朝の影絵.JPG

2階の茶の間の東南の障子に、朝日に照らされた鳥が映ります。
これはヒヨドリ。
主にスズメとヒヨドリがやってきます。
ほほえましくって毎朝笑顔でスタートできます[わーい(嬉しい顔)]

寒い朝、エアコンをつける代わりに炭を熾す事にしました。

今年のふるさと納税でいただいた返礼品に木炭があります。
鹿児島県日置市からの樫の木の木炭です。

ふるさと納税 炭.JPG

10キロの包みが二つ。 たっぷりいただけました!
軍手も同封されていて親切[黒ハート]

ふるさと納税 炭2.JPG

丸と割の混合です。
ノコギリで8センチ位に切りまして、火熾しで火をつけます。

炭を熾す.JPG

今のガスコンロは安全設計なので、何度もガスが消えてしまいましたが
5分程で炭の角が紅くなってきました。
炭は角が一番先に燃えるのです。

火熾しの難点は、どうしてもコンロが汚れてしまうこと[ふらふら]

炭を熾す2.JPG

手あぶりに炭を入れてみます。

手あぶり.JPG

この手あぶりは桐の木で葦と千鳥の蒔絵があります。
内側は銅の落としが付いていますので、火鉢が燃えてしまう心配はありません。

小ぶりで手元に置くのに邪魔になりません。
その代わり五徳を入れられないのでヤカンなどは乗りません。

炭の次はお香を入れます。

練り香.JPG

お香は燃えないように、ホドホドに炭から離れた熱灰(あつばい)にポトリ。
温められて、良い香りが立ってきます。

手あぶり2.JPG

真っ赤な炭を見ていたら、不思議と豊かな気持ちになります。
茶事の初炭手前で、炉の中の真っ赤な炭を一同で囲む時
私は連帯感や生命を感じるのですが、同じような温かさに包まれました。

3時間程燃え続け、真っ白になった炭。

手あぶり3.JPG

火箸で触ってみると

手あぶり4.JPG

燃え尽きたように見えても、中はまだまだ燃えています。
なんだか人生みたい、とシミジミしちゃう。

最後は火消し壷に入れましょう。

火消壷2.JPG

蓋をして空気を遮断すれば安心です。

火消壷.JPG

私としてはオススメの手あぶりですが、
火を使いますので換気や火の始末には十分に気を付けてくださいね。

また、炭は国産できちんと作られた炭をお使いください。
安価で売られているバーベキュー用の炭などは煙や嫌な臭いが出たりしますので。

今日も良い一日を。
コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

柳は緑 花は紅(くれない) [お道具紹介]

こんにちは 翠雀です。

神戸の友人から、京都のお花見の写真が送られてきました。
あちらは満開のようですが、ウチの周りはまだ7分咲き?といったところ。

庭にはタンポポが咲き始めました。

タンポポ.JPG

力いっぱい花開いているって感じがして元気をもらえます[グッド(上向き矢印)]

桜かも?.JPG

これは先日の記事にも書きました謎の木。 葉っぱが生えてきたのですが、なんだか桜っぽくありませんか[exclamation&question]

鳥が運んできたのだと思うのですが、桜だったら嬉しいです。

家の中では桜が満開です。

スズメ.JPG

まだきちんと額装が出来ていなくて人様にお見せできる状態ではないのですが・・・

そして、タイトルの柳緑花紅について。
以前のブログでは一度書いたのですが、プロバイダーの関係でどこかへ行ってしまったので[あせあせ(飛び散る汗)]再度ご紹介したいと思います。

柳緑花紅.JPG

床の間に掛けてみました。

丁度、裏千家からの4月号の会報でお家元がこの言葉について書かれていますので、HPからご覧いくださいね⇒コチラ

お茶席ではこの季節によく掛けられます。柳が緑の芽を吹いて、花が咲いているという情景が春をイメージさせるからでしょう。

お茶席でこれを見たら 『そういう季節よね~』 と誰もが思い、その次には禅語ですので禅問答の答えとしては、その時の各々の心境によって感じるところも違うと思います。
解釈の一つとして次のような事がいわれます。

柳は緑に芽吹き、花が咲いている ありのままの自然な姿に真実(本質)があるだ

床の間に掛けてしばらく眺めていました。
私にはまだ良くわからないというのがホントのところですが・・・ 今の自分なりの解釈が心に浮かびました。

皆さんはどのように解釈しますか?

戦国時代から江戸初期にかけて流行った小唄にこの言葉を引用したものがあるそうです。

『 梅は匂い 柳は緑 花は紅 人は心 』

どのような意味が込められているのか正確にはわかりませんが、いつの時代も変わらないもの?または、それぞれの一番素晴らしいところを表しているのかな?

最近よく耳にする『忖度 そんたく』という言葉。
相手の心を推しはかることだそうです。

とても日本人的で悪いこととは思いませんが、直接話しが出来たら一番良いのかもしれませんね。

真実の枝にとまっておしゃべりする、この二人のように。

スズメ2.JPG
コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
前の10件 | - お道具紹介 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。