鎹 かすがい繕いの器です [お道具紹介]
こんにちは 翠雀です
小鳥たちの声も聞こえず、雨垂れの音だけの、梅雨寒の日となりました。
衣替えの際に2枚だけ長袖Tシャツを残しておいて良かったです。
3月頃から、お茶会や各種稽古もお休みとなり、茶道の時間が減ってしまいましたので
自宅でおやつの時間にお抹茶をいただくのが習慣となりました。
お菓子は【鹿の子】
あんこが食べたい日はコレ。
上生菓子と違って、お値段も普段和菓子ですが、ずっしりと満足感アリ
お供のお皿は、松竹梅の染付です。
江戸時代の、いわゆる古伊万里と呼ばれるお皿だと思います。
知り合いからこの時代の陶片を探していると相談を受けた私は
古物商の先輩に、『割れたりヒビが入ったりした器があったら買い取ります』
と言っておいたのです。
先輩はすぐに箱一杯持ってきてくれました。
その中にこのお皿もありまして、先輩の収集物だったらしいのですが
『こういうの好きでしょ』
と、くださったのです。
私は器の修復を習っていて、手負いの道具が大好き
右肩から黒い線が見えますが、この線はヒビ割れです。
裏には
鎹 (かすがい) という金具が打ち込まれています。
江戸時代には磁器の器がありましたが、武士階級や富裕層のもので
庶民が使えるものではありませんでした。
そして壊れても修理して使っていたのです。
明治になって瀬戸で磁器の大量生産が始まると、鎹や漆で修理することもなくなり
その技術も途絶えました。
厚さ3ミリのお皿の表面に貫通させずに、ホチキスの針のような金属を打ち込む技術に
関心してしまいます。
こういうお皿を眺めていると、想像が膨らみます。
どんな人が使っていたのかな
どうして割れちゃったの
修理した職人さんのこと
このお皿が見てきた様々なこと
今は私の手の中にあって、その先はどんな時間を過ごしていくのでしょう
誰かと分かち合いたいような、私だけの愉しみにしておきたいような
一つ迷っているのは、ヒビの修復です。
今は修理 (使用に差し支えない) は出来ているけど
修復 (見栄えも良く) はされていない状態です。
表側だけ漆で埋めて、銀を引いたら染付になじむような気がします。
裏側はこのお皿の人生を残しておきたいなぁ。
手を加えるのが良いのか、このまま次の持ち主に引き継ぐのが良いのか。
お皿にとって、束の間の預かり主である私は、いつもこの問題に悩むのです。
『あなたはどうして欲しい?』
お皿を撫でながら聞いたら
【たまにはアタシに似合う上等な和菓子を乗せなさいよ!】
ですって
小鳥たちの声も聞こえず、雨垂れの音だけの、梅雨寒の日となりました。
衣替えの際に2枚だけ長袖Tシャツを残しておいて良かったです。
3月頃から、お茶会や各種稽古もお休みとなり、茶道の時間が減ってしまいましたので
自宅でおやつの時間にお抹茶をいただくのが習慣となりました。
お菓子は【鹿の子】
あんこが食べたい日はコレ。
上生菓子と違って、お値段も普段和菓子ですが、ずっしりと満足感アリ
お供のお皿は、松竹梅の染付です。
江戸時代の、いわゆる古伊万里と呼ばれるお皿だと思います。
知り合いからこの時代の陶片を探していると相談を受けた私は
古物商の先輩に、『割れたりヒビが入ったりした器があったら買い取ります』
と言っておいたのです。
先輩はすぐに箱一杯持ってきてくれました。
その中にこのお皿もありまして、先輩の収集物だったらしいのですが
『こういうの好きでしょ』
と、くださったのです。
私は器の修復を習っていて、手負いの道具が大好き
右肩から黒い線が見えますが、この線はヒビ割れです。
裏には
鎹 (かすがい) という金具が打ち込まれています。
江戸時代には磁器の器がありましたが、武士階級や富裕層のもので
庶民が使えるものではありませんでした。
そして壊れても修理して使っていたのです。
明治になって瀬戸で磁器の大量生産が始まると、鎹や漆で修理することもなくなり
その技術も途絶えました。
厚さ3ミリのお皿の表面に貫通させずに、ホチキスの針のような金属を打ち込む技術に
関心してしまいます。
こういうお皿を眺めていると、想像が膨らみます。
どんな人が使っていたのかな
どうして割れちゃったの
修理した職人さんのこと
このお皿が見てきた様々なこと
今は私の手の中にあって、その先はどんな時間を過ごしていくのでしょう
誰かと分かち合いたいような、私だけの愉しみにしておきたいような
一つ迷っているのは、ヒビの修復です。
今は修理 (使用に差し支えない) は出来ているけど
修復 (見栄えも良く) はされていない状態です。
表側だけ漆で埋めて、銀を引いたら染付になじむような気がします。
裏側はこのお皿の人生を残しておきたいなぁ。
手を加えるのが良いのか、このまま次の持ち主に引き継ぐのが良いのか。
お皿にとって、束の間の預かり主である私は、いつもこの問題に悩むのです。
『あなたはどうして欲しい?』
お皿を撫でながら聞いたら
【たまにはアタシに似合う上等な和菓子を乗せなさいよ!】
ですって
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