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硝子の器 時を越えて受け継ぐ [お道具紹介]

こんにちは 翠雀です[わーい(嬉しい顔)]

季節は例年よりひと月早く進んでいますね。
庭の草木も早々と咲き、バラも満開です。

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咲き切った花から切って、いろんな所に少しずつ飾っています。
ネコちゃんがいたずらしそうなテーブルの上は低く活けています。

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この時期はずっと野原のような庭で過ごしていたいのですが、
お道具屋の仕事もしなければなりませんので、ヤフオクへの出品作業をしています。

写真を撮りながら、

『これ、すごく気に入っているんだよなぁ・・・手放したくないなぁ・・・』

なんて思う事はしょっちゅうです。
だって、仕入れる時に好みのものしか買わないから[ふらふら]

そんな時は、先輩たちのコトバを思い出すようにしています。

【オマエが良いと思うものは、お客様だって欲しがるはずだ】

だから売れ[exclamation×2]

だけど、だけどです。
今日はそれが出来ませんでした[ふらふら]

写真までは撮ったのですが、やっぱりやっぱり手元に置いておきたいモノだった。

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いかにもネット用の写真でしょ[あせあせ(飛び散る汗)]

一見、陶器のような、漆器にも見えるこちらは、ガラスのコップです。

作ったのは上野良樹さん。茶道具も作っておられるのでご存じの方も多いと思います。

手元で使うものですので、近くで見ることでわかる美しさが大事だと考えます。
これも見るたびに虹のようなグラデーションに魅了されるのです。

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大きさもたっぷりしていて、家で仕事する私にはピッタリ。
何度も台所に行かずに済みます。
しまい込まずに、今年はこれで冷たいものを飲もうと、箱から出して食器棚に入れました。

もう一つガラスの器をご紹介します。
こちらは初めから自分用に買ったものです。

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はぁ~ キレイ~[ハートたち(複数ハート)]
と思わずにはいられない。

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天目形の茶碗です。

小さな高台ですが、重心が下にあって安定感バツグン。天目台は不要です。

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このお茶碗の見どころは、水玉の一つ一つに空気が入っていることです。

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ブクブクと清水が湧き出ているみたい。

夏に使いたいお茶碗です。

作家は松宮寛明さん。
上野さんと共に、福岡特殊硝子という会社で硝子職人として活躍された方です。

天目茶碗の箱には、最初の持ち主であろう日本美術史家の昭和31年の買入記録が貼られています。
作家名に加え、口径、高さ、重さなどが日付と共に書かれており、〇〇蔵とあります。

大切な道具はこのようにするんだなぁ と勉強になります。
私も改めて吟味した道具に、書付を貼って目録も作りたいと思いました。
かなり珍妙な道具も含まれるワタシの愛蔵品ではありますが[あせあせ(飛び散る汗)]

そして、前持ち主様の家は滋賀県の近江八幡にあったようで、現在も保存されておりました。
お茶室のある立派な邸宅のようです。
この方はこのお茶碗でどんなお茶をされたのかしら。
生きた時代が違うので、直接話すことは叶いませんが、このお茶碗を介して対話できるのがお茶の良いところ。
邸宅は時々公開されるようなので、このお茶碗を携えて出掛けられたらいいな。

福岡特殊硝子さんは、社名をマルティグラスとして現在も製作されています。
HPにある作品は造形ガラスが多いようです。
これからも先人のように魅力ある作品が作られていくことを願います。

それでは、良い週末をお過ごしください[exclamation]

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