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伝統の香り 杉箸 [お道具紹介]

こんにちは 翠雀です。

雨が降って、気温の低い一日でした。
子猫のリンちゃんが朝からクシャミをしていたので
病院の先生に電話で相談しました。

時々クシャミが出るだけで、鼻水や涙が出たりしなければ
すぐに病院に連れて来なくても大丈夫と言われ
ちょっとホッとして様子を見る事にしました。
いつも通り沢山食べて暴れまわっていますので大丈夫かな。

寝床にしている小箱に敷いているタオルにカイロをくるんであげました。
夕べ寒かったんだね、ごめんね。


さて今日はお箸のお話を。

利休箸.jpg

これは茶懐石で使うお箸で ‘利休箸’ と呼ばれるものです。
杉で出来ているので杉箸とか懐石箸とも呼ばれます。

特徴は両方が細くなっていること。 両細(りょうぼそ)とか両口とかいわれます。

割り箸に見えますが、最初から1本1本削り出されており
お客様にお出しする時は、巻いてある紙をはずし水に浸けた後
乾燥した布巾で水分を取った状態でお出しします。

利休さんはお客様を迎える日には、毎回吉野杉を小刀で削って
お箸を作ったとか。

両細になっているのは、片方は神様が使うからです。
自然の恵みを神様が召し上がり、人間がお相伴させていただくお箸でした。
ハレの日、ケの日が今よりハッキリしていた時代には
お箸もハレの箸、ケの箸が区別されていたそうですよ。
この箸はハレの箸。

さて、このお箸、いざ買おうと思うとデパートや茶道具屋さんでは
とっても高いんですよね。
そこでお道具屋 翠雀では大量仕入れの小分け販売により
お安く提供できるようになりました。
奈良県で生産されている杉の利休箸です。

出品中の商品はこちら

おっと、ついつい商売の話になってしまいました[あせあせ(飛び散る汗)]

ここからが本題ですので、もう少しおつきあいください[わーい(嬉しい顔)]

このお箸の仕入れ先のご主人が

『先日この箸にクレームがつきましてね・・・』

どんなクレーム[exclamation&question] とお聞きしたら

『臭いっていうんですよ』

ワタシ思わず匂いを嗅いでしまいましたよ。

そのお客さんが持ってきたお箸をご主人が確認しても
特に異臭は感じなかったそう。

『杉の香りしかしませんけど・・・ って言ったら、エッこれ杉の匂いなの[exclamation&question]って』

という訳です。
杉の香りがわからなくて異臭と思ったお客さんだったんですね。
使ってみるとわかりますが、良い杉箸は香りが立ちますからね。

ご主人の話だと、最近は竹箸が使われることが多いそうです。
コンビニやお弁当屋さんのお箸が丸く削られたお箸だったりしませんか?
竹は成長が早い為、どんどん生産できて原価が安く抑えられるそうです。
竹箸には香りはありませんので、今回のような事が起こるのかもねと話ました。

お茶で使う黒文字(くろもじ)という菓子楊枝がありますが
これも濡らして使うと香りが良い黒文字の木で作られています。

杉も黒文字も、その香りが清潔感とか食欲増進などの効果があるとして
使われてきたものですが
慣れない人には異臭となってしまうのですね。

なんだか日本文化が心配になってしまうような出来事でした。

畳のイグサの香り、線香の香り、山椒などの薬味の香り

どれも私は大好きな香りなので、小さなお子さんたちにも
日本ならではの香りを楽しんで欲しいな~と思います。

ペットボトルの日本茶はほとんど香りがしませんので
抹茶で点てたお茶を『変な臭いがする』なんて言われる日が来ませんように。
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